盲ろう者を知っていますか?
盲ろう者の障害の状態や経緯
盲ろう」と一口に言っても、その状態や程度は様々です。
- 全盲ろう ・・・ 全く見えず聴こえない状態
- 弱視ろう ・・・ 見えにくく聴こえない状態
- 全盲難聴 ・・・ 全く見えず聴こえにくい状態
- 弱視難聴 ・・・ 見えにくく聴こえにくい状態
【障害を発症する経緯別のタイプ】
- 先天性の盲ろう児・者
・・・言語獲得以前から、目と耳に障害が発生した人 - 「盲ベース」の盲ろう者
・・・先に目の障害がベースにあって、後に耳の障害も発生した人 - 「ろうベース」の盲ろう者
・・・先に耳の障害がベースにあって、後に目の障害も発生した人 - 上記のいずれでもない盲ろう者
・・・ 「健常」の状態から目と耳に障害が発生した人
盲ろう者のコミュニケーション方法
代表的なコミュニケーション方法をご紹介します。
盲ろう者へは独自性に応じた支援が必要です。ご紹介するのはごく一部のコミュニケーション方法です。
・手話
手話の形を手で触って読み取る「触手話」と盲ろう者の見える視野の範囲内で手話を表す「弱視手話(接近手話)」があります。
・点字
「ブリスタ」と呼ばれる速記用点字タイプライターと、盲ろう者の指を点字の6点に見立てて直接たたく「指点字」があります。
・手書き文字
盲ろう者の手のひらに文字を書いて伝えます。「手のひら書き」とも言います。
・音声
盲ろう者の耳元や補聴器のマイク(集音器)などに向かって話します。
イラスト:©(社福)全国盲ろう者協会
10人の盲ろう者がいればコミュニケーション方法も10通りあるといわれています。
複数のコミュニケーション方法を利用しながら会話をする人もいます。
盲ろう者のコミュニケーション方法はオーダーメイドなのです。
盲ろう者への配慮
- 盲ろう者の表情や仕草を見ながら、ゆっくりコミュニケーションをとってください。
- 「あいづち」を大切にしてください。
全く反応がない相手と会話をすることは、健常者でも苦痛に感じます。盲ろう者の手の甲や肩などをポンポンと軽く叩いてあいづちを示すことで、盲ろう者は「話を聞いてくれている」と安心感を得られます。 - 本人に伝わりにくい場合は、伝え方を変えてみるのも方法です。
例えば手書き文字では「ひらがな」で伝わらなかったら、「カタカナ」に変えるのも方法のひとつです。 - 本人ができることは、手を出したり代わってやってあげるのではなく、できるだけ見守ってください。
動作がゆっくりなのは、目や耳からの情報が入りにくいので、盲ろう者は一つひとつ確認しながら動いているからです。 - .本人が自分で置いた場所から物を移動させないでください。置いた場所がわからなくなってしまいます。
もし移動させる場合は、盲ろう者に伝えてから移動し、触って確認をしてもらってください。 - 目や耳に障害があるからといって、何も判断ができないということはありません。
盲ろう者にも自分の意思があります。盲ろう者本人が何かを決めるときには、本人の意思を尊重してください。
盲ろう者と通訳・介助員の関係
外出や人と会話を交わすことが困難な盲ろう者に対して、一人ひとりに適した方法で情報の伝達や移動の手引きなど行う専門知識を持った支援者を通訳・介助員といいます。
ただ人との会話を通訳するだけでなく、また移動の手引きをおこなうだけではありません。盲ろう者が健常者と同じように自立性をもって社会生活を送れるように、社会と盲ろう者をつなぐ役目を担います。
盲ろう者にとって、通訳・介助員は社会参加するために欠かせない存在です。
(以上参考:『盲ろう者について知っていますか?Deafblind Life』)(社福)全国盲ろう者協会 令和5年5月発行
盲ろう者を知ってください
「盲ろう者に興味はあるけど会ったこともないし不安かも・・・」
そんな時は各地に盲ろう者友の会や支援センターがあります。埼玉県にも「埼玉盲ろう者友の会」という当事者と支援者からなる団体があります。交流会など定期的なイベントを開いています。
「盲ろう者ってどんなひとなんだろう」「盲ろう者と話してみたい」など思われた方は、お気軽に交流会にご参加してください。いろいろな盲ろうの方たちと出会うことができます。
ほんの少しの興味が盲ろうの方々の世界を広げるきっかけになります。
(埼玉県ホームページより抜粋)
NPO法人埼玉盲ろう者友の会
〒330-8522 埼玉県さいたま市浦和区大原3-10-1 埼玉障害者交流センター内
(事務局)電話/FAX:048-833-4004 E-mail:saitama-db@r9.dion.ne.jp
(派遣事業担当)電話/FAX:048-823-7080 E-mail:haken.saitama-db@r9.dion.ne.jp